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数千円が、数億円になる。世界NO.1メーカーの重みを知れ!

見積書ひとつに、1週間を費やす。

「この見積書ではダメです。やり直してきてください」最初の提案から、僕は得意先の洗礼を受けていました。
自分なりに納得し社内を通した見積書が通してもらえない。受け取ってすらもらえない。ただ、原因はハッキリとわかっていました。
「相手のなぜ?」に応えられなかったのです。「なぜこのネジなの?」「どうしてこの材料なの?」「この加工費の根拠は?」「この設備なら人はもっと減らせるのでは?」…と、見積りに記載されたあらゆる情報に説明を求められる。入社後、営業部に配属され意気込んで見積書を作成していた僕にとって、それは大きなショックでした。
それからは、連日見積明細作成の日々です。その後、1週間以上かけて、製品と図面、工程やコストの裏付けをとっていきました。3度目か、4度目か。最初に見積書を受け取ってもらえたときは嬉しかったなぁ。変な話ですよね。
受け取ってもらっただけなのに(笑)。

トヨタは、見抜く目も世界一だった。

世界マーケットを舞台に活躍するカーメーカーの見積りに対する厳密さは、何度か交渉するうちに「なるほど!」と納得していきました。それは、世界規模でのマーケットゆえの膨大な生産数に関係しています。たとえば、欧州で驚異的な売上を誇るヤリス(日本名ヴィッツ)は、月に約5000台を販売します。つまり、年間では6万台のMTが必要な計算。もし、僕が出す見積書に2000円のコスト低減の余地があったら、それは年間1億2000万円の価値を生み出すことと同じなのです。メーカーにとって、コスト低減は最重要課題。それが世界に名だたるカーメーカーであれば尚更です。ネジ一本の単価も見逃さない彼らを相手に、僕らは適正な金額と明解な理由を提示しなければいけない。それは非常にタフな作業ですが、自分がクルマづくりに関わっている、という確かな実感を得られる仕事でもあるのです。

セールスマンでは意味がない。営業は提案者なのだ。

MTはクルマに合わせてつくります。今あるものがそのまま売れる、というケースはほとんどありません。営業のシゴトは、メーカーに対してどれだけ優れたMTを提案ができるかが全て。コスト低減。燃費アップ。シフトフィーリングの向上。自分の提案したMTが採用され、量産に近づき、完成度が高まっていく様子は本当にワクワクしますよ。一般の人が見たことない車両ですからね。試作品が出来ると一気にテンションがあがるんです。ヨシ、キタァーーーーッ!って感じ。今担当しているMTも得意先における新型車両なのですが、スゴイ出来上がりですよ。MTも、今までとは全く違う構造で…。これ以上は言えないんですけどね。この言いたいけれど言えない、というジレンマも、開発の最前線にいる営業の役得でしょうか。